DIE WITH ZEROの資産運用日記

利上げor利下げ、円安or円高、株安or株高、株式投資or債券投資、国内or海外、それが問題だ

証券口座乗っ取り被害、ネット証券5社は半額補償で検討

SBI、楽天、松井、マネックス、三菱UFJeスマートのネット証券5社は、顧客への被害補償を原則として一部にとどめる方向で最終調整に入った。損害額の2分の1の金銭補償を軸に検討している。


野村証券などの対面証券の大手4社は、最大で事実上の全額補償となる「原状回復」に応じる方針。


記事

2025年7月11日付朝日新聞記事「口座乗っ取り被害、ネット証券は半額補償で検討 対面大手は「全額」」によれば、

「証券口座が不正アクセスで乗っ取られ、株式が勝手に売買されている問題で、SBI証券、楽天証券などのネット証券大手5社は、顧客への被害補償を原則として一部にとどめる方向で最終調整に入った。損害額の2分の1の金銭補償を軸に検討している。


 野村証券などの対面証券の大手4社は、最大で事実上の全額補償となる「原状回復」に応じる方針で、対応が分かれそうだ。


 2分の1補償を軸に検討しているのは、SBI、楽天、松井、マネックス、三菱UFJeスマートのネット証券5社。特にSBI、楽天は業界最大手の野村と並んで被害件数が突出して多く、対応が注目されていた。」


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株式配当金、家計に3.5兆円の収入

2026年3月期の配当総額は19兆9900億円と前期比3%増え、5年連続で過去最高を見込む。単純計算では家計に約3.5兆円入る。


配当収入が増えれば可処分所得が増えて消費に追い風になることが期待される。


記事

2025年7月11日付日経記事「企業の配当総額20兆円 5年連続最高 家計に3.5兆円 個人消費の下支え期待」によれば、

「貿易摩擦など逆風のなか上場企業が配当を一段と増やす。2026年3月期の配当総額は19兆9900億円と前期比3%増え、5年連続で過去最高を見込む。資本効率改革の要請が強まっていることが背景にある。単純計算では家計に約3.5兆円入る。インフレ下で実質賃金が増えにくいなか、個人消費を支える効果が期待できる。


3月期決算の上場企業(変則決算などを除く)約2300社を対象に日本経済新聞が集計した。1株配当の予想に発行済み株数(自己株式を除く)を乗じて配当総額を求めた。配当予想が未定の企業は市場予想の平均(QUICKコンセンサス)を使った。

会社予想ベースで増配(復配含む)を見込む会社は約910社と全体の約4割に達し、期初時点では前期に続き高水準にある。配当総額は新型コロナウイルス禍前の19年3月期と比べて66%増える見通しだ。個人は上場企業株の2割弱を保有しており、税引き前ベースの単純計算で約3.5兆円が家計に入る。


目立つのが減益ながらも配当を増やす企業だ。東証プライム上場企業の26年3月期純利益合計は前期に比べ7%減と、6年ぶりの減益を見込む。集計対象約2300社のうち今期に最終減益を見通しつつ増配を計画するのは約250社で、全体の1割強を占める。前期の期初時点よりも30社多い。


トヨタ自動車は配当を年95円と前期より5円増やす。連結純利益は35%減る見通しだ。米関税の影響など業績は見通しにくい状況にあるが、「長期に保有する株主に報いるため安定的・継続的に増配する」(宮崎洋一副社長)。三井物産は資源価格の下落や円高が響いて最終減益を見込むが、115円配と15円増配する。


背景にあるのが資本効率改革の要請だ。東京証券取引所は資本コストや株価を意識した経営を強く求める。3月期決算のプライム企業の手元資金は3月末に112兆円となり歴史的な高水準にある。資本効率を高めるには株主資本の圧縮が課題となる。武田薬品工業やリコーも資本効率の改善を急ぎ、それぞれ200円配(4円増)、40円配(2円増)とする。


金融機関や事業会社などとの株式持ち合いの解消が進むなか、個人株主の開拓も急ぐ。東証などによる24年度の株式分布状況調査で個人株主(延べ人数)は8359万人と前年度より1割強増えた。新しい少額投資非課税制度(NISA)で拡大する個人マネーを取り込む狙いもある。


個人に訴えようと配当政策を工夫する動きもある。「株主資本配当率(DOE)」という新たな配当方針を導入する動きが広がっている。株主の持ち分である株主資本に対し配当をどれだけ支払うかを示す指標であり、減益でもぶれにくく株主目線の経営を直接訴えやすい。シチズン時計もDOEを取り入れ、47円配と2円増やす。


5月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で2.9%減った。マイナス幅は2023年9月以来の大きさとなった。連合の集計で25年の賃上げ率の平均は5.25%と2年連続で5%を超えるなど企業は賃上げに取り組んでいるが、賃金の伸びがインフレに追いつかず個人消費の妨げとなっている。


第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストの試算によると、20兆円弱の配当総額は実質消費で約5200億円、実質GDP(国内総生産)で0.1%の押し上げ効果に相当する。熊野氏は「物価が上がっており、実質賃金が増えにくい。配当収入が増えれば可処分所得が増えて消費に追い風になるだろう」と分析する。」


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円建て一時払保険販売、外貨建てを10年ぶりに上回る

生保の24年度の円建て一時払い保険の販売額は2兆9900億円で、外貨建て保険の2兆9600億円を上回った。円建て保険の販売額が外貨建て保険を上回るのは、14年度以来10年ぶりだ。


金利上昇を受け各社は円建て保険の予定利率の引き上げに動き、再び円建て保険の販売額が増加した。


記事

2025年7月10日付日経記事「円建て保険の販売拡大 10年ぶり外貨建て超え 銀行経由、金利上昇追い風」によれば、

「銀行など金融機関経由の保険販売で、円建て保険の販売が拡大している。

低金利局面では相対的に利回りの高い外貨建て保険の販売が好調だったが、金利ある世界の到来で円建て保険の魅力度が高まっている。

利上げ継続をにらみ、生保各社は市場金利に応じて月に2回利率を見直す商品を投入するなど、商品の多様化を図っている。

 生保各社は自前の営業職員チャネル以外に、保険ショップなどの代理店や金融機関の窓口で保険を販売している。金融機関窓販の販売額は年間6兆円規模に上り、単純計算で保険料全体の2割弱を占める。金融機関窓販を専門とする子会社で商品を開発する生保もある。


業界の推計値によると、金融機関窓販の商品を手掛ける生保の24年度の円建て一時払い保険の販売額は2兆9900億円で、外貨建て保険の2兆9600億円を上回った。円建て保険の販売額が外貨建て保険を上回るのは、14年度以来10年ぶりだ。


データのある2002年度以降、14年度までは円建て保険の販売額が外貨建てを上回っていた。国内金利の低下に伴い13年ごろから円建て商品の予定利率は徐々に低下し、一部生保は販売を手控えた。相対的に高い利回りを提示できる外貨建て保険の魅力度が高まり、15年度に外貨建ての販売額が円建てを上回った。


16年の日銀によるマイナス金利導入以降は国内金利の低下に拍車がかかり、一部生保は円建て保険の新規引き受けを停止した。11年度に約5兆円だった円建て商品の販売額は18年度に6000億円まで減少した。一方、外貨建て保険の販売額は18年度に全体の9割にあたる4兆円強にまで拡大した。


日銀がマイナス金利を解除した24年3月以降、国内金利は上昇している。金利上昇を受け各社は円建て保険の予定利率の引き上げに動き、再び円建て保険の販売額が増加した格好だ。大手行の担当者は「外貨建て商品でないと応えられなかったニーズに円建てでも対応できる可能性がでてくる」と話す。


外貨建て保険の解約率の高さが問題視されたことも大きい。金融庁は24年4月、外貨建て一時払い保険の約6割が加入後4年以内の短期間で解約されているとの調査結果を公表した。


金融機関が保険会社から受け取る手数料は初年度に多く受け取れる「L字型」となっており、短期での乗り換えを誘発しているとの指摘があった。一部の金融機関では外貨建て保険の販売を取りやめる動きも広がり、販売の逆風となった。


国内金利には先高観があり、各社は早くも利回りの引き上げや商品の多様化を急ぐ。住友生命保険は7月から、金融機関窓販向けの一時払い終身保険の予定利率を1.5%から2.0%に引き上げた。日本生命保険も24年後半から徐々に予定利率を引き上げ、足元では1.65%の利率を提示している。


明治安田生命保険や第一生命ホールディングス(HD)傘下の第一フロンティア生命保険は、市場金利に応じて月に2回利率を見直す商品を提供。解約時の返戻金も金利に応じて変動する仕組みだ。明治安田生命は一部契約期間を除き、2%を超える予定利率を提示している。第一フロンティア生命も一部契約期間を除き、運用原資にかかる利率を2%超とする。


介護保険や年金保険でも利回りを引き上げる動きが出ている。太陽生命保険は一時払いの終身介護年金の予定利率を引き上げており、足元では2%近い利率を提示している。


金融機関窓販チャネルは他社の商品との利回り競争に陥りやすい。一時払い保険は一般に利益への貢献度が薄いとされる。各社で販売額を追うことになれば自らの首を絞めることになりかねず、利率の引き上げには慎重論もある。現在の金利環境では生み出せる利差益(予定利率と実際の運用利回りの差)には限界があるためだ。


一部商品を除くと、予定利率が標準責任準備金を積む際の利回りである標準利率を上回るほど積み立て負担は重くなる。販売量に応じて一時的に基礎利益が押し下げられることになるため、生保各社にとって予定利率の適正水準の見極めもカギとなる。」


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生保の外貨建て一時払終身保険、実態は金融商品。利回り比較 - DIE WITH ZEROの資産運用日記