DIE WITH ZEROの資産運用日記

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超長期国債、第一生命と日本生命の運用トップ、金利上昇に警戒

DIE WITH ZERO

トランプ関税による先行きへ不透明感から、日本国債のタームプレミアム(上乗せ金利)が上昇しており、長い年限ほど投資されにくくなっている。


含み損を抱えたくない投資家としては、金利に先高観があると買いづらく、超長期債は買い手が不在となっている。


選挙を前に消費税減税を含めた財政拡張路線が具体化すれば、市場を動かす可能性もある。


記事

2025年5月14日付日経記事「第一生命と日本生命の運用トップ、超長期債の金利上昇に警戒 Foresight」によれば、


「トランプ米政権の関税政策が二転三転する中で、金融市場の動揺が続いている。国内では財政拡張への警戒感もあって超長期債の利回り上昇が続く。


国内生命保険大手は足元の運用環境をどう見ているのか。


第一生命保険の重本和之常務執行役員と、日本生命保険の河崎圭助執行役員に運用方針を聞いた。(聞き手は荒川信一、坂部能生、田村峻久)


超長期債は買い手が不在 第一生命保険の重本和之常務執行役員


第一生命保険の重本和之常務執行役員

――4月の相場急変時の対応について教えてください。


「関税の発表は前もってわかっており、株式相場などが下がると想定していた。米国株や為替でプットオプション(売る権利)を購入し、価格下落に備えるヘッジポジションを2000億円程度つくったところ、短い期間ではあったが機能した」


――国内の超長期債は需給環境の悪化が懸念されています。


「生命保険会社の資本規制の対応がほぼ終わり、買い手が不在になったということだ。今月あたりに財務省や日銀から何らかの示唆があるのではないか。それがないと金利上昇が止まる感じがしない」


「含み損を抱えたくない投資家としては、金利に先高観があると買いにくい。『年収103万円の壁』の見直しなど国債増発につながりかねない政策が話題に上がれば、買いづらさは増す。日本の債務残高はすでに世界でも最悪の状態なので格下げの懸念もある」


――40年債の価格が急落し、減損損失を計上する水準に近づいているとの指摘もあります。


ポートフォリオの中で減損に近づいているものはないが、例えば30年債が3.5%、4%と上がっていけばいつまでも大丈夫なわけではない。金利が急騰するケースには注意が必要で、真剣に対応を考える必要がある」


――外債の投資環境をどう見ますか。


オープン外債は円高方向に動く可能性が高いと思った時に妙味が出るが、私の相場観ではもう一度積み上げるには1ドル=130円よりも円高・ドル安でないと難しい。海外に比べ日本の方がイールドカーブ(利回り曲線)が立っている現状ではヘッジ外債も投資妙味に乏しい」


――金融政策の見通しは。


「米国の利下げは遠のいたとみている。市場でよく議論されるのは、1970年代の米国でインフレが収まっていないのに利下げした時のこと。深刻なインフレを招き、当時のボルカー米連邦準備理事会(FRB)議長が急激な引き締め策を取ることになった。パウエル議長もその辺りは理解しているはずだ」


「米国がこの状態では、日銀の利上げは理解を得にくい。あるとしても年内1回で、なくても不思議ではない」


――米国株1強の構図に変化が見えます。


「これまで米国株を強気、欧州株を弱気としていたが、1〜3月にそれぞれ中立姿勢に変えた。米国の代替先としては財政出動が相場を支える欧州の防衛株や流動性の高い日本株、成長性の高いインド株ぐらいしか思い当たらない。米国の信用力が落ちたからといって持ち高を大幅に減らすわけではない」


――25年度の運用計画で重視するところは。


「プライベートデット(ファンドによる融資)には注力していく。日本株の残高縮小に伴う期待収益の落ち込みを補いたい。低格付け社債(ハイイールド債)のように市場価格が激しく変動することもなく、高い利回りを見込める」



財政拡張路線の具体化で市場の動揺も 日本生命保険の河崎圭助執行役員


日本生命保険の河崎圭助執行役員

――4月の金融市場では荒い値動きが続きました。


「前年度から2025年度の米国の景気減速を想定してサブシナリオの設定を増やしており、落ち着いた対応ができた。これで終わりとは考えていない。米関税政策の影響を受けたリアルなデータが出てくるのはこれからだ。関税交渉の行方を見ながら運用面でも柔軟に対応したい」


――日本株も大幅に下げる場面がありました。


「市場に不安心理が広がる中、あの規模の下落は理解できる。安くなった個別銘柄をいくつか買った。戻りが早くて買えなかったものもあった」


「国内株式は時価で約13兆円保有しており、リスクは十分取っている。今年度はやや減らす計画だが、(日本企業が親子上場の解消を目指して実施する)TOB(株式公開買い付け)に応募するなどして結果的に減っていくことがあるだろう、という程度だ」


――国内では超長期債の金利上昇が目立ちます。


「米国の関税策に伴う不確実性の中で、先行きへの不安感を反映するタームプレミアム(上乗せ金利)が上昇しており、長い年限ほど投資されにくくなっている。7月の参院選はひとつのポイントになる。選挙を前に消費税減税を含めた財政拡張路線が具体化すれば、市場を動かす可能性もある」


「とはいえ、どんどん金利が上昇していくというのはあまり想定していない。現状の水準は投資妙味があり、足元もしっかり買っている。多少、平準より前倒しで買っていると理解してもらいたい」


――外債の運用方針について教えてください。


「外債の為替ヘッジでは通貨オプションを活用するなど様々な手法を駆使している。海外では景気減速に伴って金利が低下(債券価格は上昇)すると見ており、(値上がり益を狙うための)仕込みのタイミングとしては面白い環境だ。チャンスがあれば狙っていきたい」


「関税ショックで投資適格社債のスプレッド(上乗せ金利)が広がったが、すぐに縮小した。為替リスクを取る以上、スプレッドが厚くないと見合わない。国内金利で良いではないかという意見もあるかもしれないが、不確実性の高い環境では分散投資は重要だと考えている」


――オルタナティブ(代替)資産への投資を増やしますが、関税の影響は。


プライベートエクイティ(未公開株)ファンドの運営主体に対し、ポートフォリオの状況を確認したところ、関税影響が比較的少ないことを確認できた。プライベートデット領域では、融資先にとって資金調達にかかる金利水準が4〜5年前より高くなっている。借り換えがどのように進んでいくか、ファンド運用者の巧拙をチェックしたい」


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