日銀の国債保有残高、2年後も500兆円超。減少率は7~8%程度。
昨日(2024年7月31日)の日銀の金融政策決定会合後に開催された植田総裁の会見において、国債の買い入れ減額について、以下のようなやりとりがありました。
(質問)将来的なバランスシートについて。残高のゴールがみえない。将来どういった点に着目するのか。
(植田総裁)
「国債保有残高、2年後に試算では今回の計画で7~8%程度減少すると考えています。
おそらく長期的に望ましいところよりも高い。
どのへんかという点は、他の中銀も量的緩和の後は模索状態。参考にしつつ、だんだんと見極めていきたいと考えています」
(日銀の日本国債保有残高に強い関心を持つ後期高齢者のコメント)
2024年6月末時点の日銀の日本国債保有残高は、588兆円ですので
営業毎旬報告(6月30日現在) : 日本銀行 Bank of Japan
減少率7~8%程度を金額にすると
減少額=588兆円×7~8%減少=41~47兆円であり、
2年後の残高は、588兆円―(41~47兆円)=541~547兆円となります。
受け皿の第1候補は、民間銀行ですが、この10年間、国債保有残高を減らし続けてきましたので、都銀を中心に金利上昇リスク(損失リスク)に配慮しながら、ある程度までは買うと思われます。
日本国債、日銀に代わる受け皿 - リタイア生活は外債利子で次の候補は、GPIFです。
GPIF、日銀が保有する日本国債を肩代わり - リタイア生活は外債利子で
昨年度(2023年度)、リバランスの名目で、金利上昇で損失が出た国内債券(大半は日本国債)に12兆円配分しています。
なぜGPIFは日本国債を買うのか - リタイア生活は外債利子で
今年度も、日本国債の金利上昇(価格下落)で損失が出ており、前年度同様、買い増しをしています。
GPIFの日本国債買いは、今年も続く - リタイア生活は外債利子でGPIFの場合、日本国債の価格下落により損失が増えれば増えるほど、買い入れ額は増えますので、日銀にとっては、心強い受け皿でしょう。
「2年後の国債保有残高は、おそらく長期的に望ましいところよりも高い」などと他人事のようにしか言えないのは、中央銀行総裁としては悲しすぎます。
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