なぜ日銀は7月に金利を引き上げたか
日銀は2024年7月末の金融政策決定会合で、0〜0.1%としていた政策金利を0.25%に引き上げることで、ゼロ金利政策を解除しました。
日銀は、政策金利をプラスにしておかないと、景気後退期に利下げができず、自らの責務を果たせません。
1992年2月、意に反して採用したゼロ金利政策を解除することは、30年来の日銀の悲願でした。
日銀にとって、ゼロ金利政策の解除とは、「金融政策の正常化」であり、異次元金融緩和を看板にマイナス金利政策すら採用した黒田総裁時代を除けば、歴代の日銀総裁に課せられた使命だったと思います。
ところで、なぜ、ゼロ金利解除の実施時期が、当初、経済評論家が予想していた9月の金融政策決定会合ではなく、7月に前倒しされたのかです。
デフレが続く日本にあって、景気にマイナスの作用を及ぼす利上げに対し、政府は、これまで反対の立場をとることが多かったのですが、7月の金融政策決定会合を前にして、政府要人が、過度に進んだ円安対策として利上げの必要性を表明しました。
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また、今年9月には、自民党総裁選挙があり、その結果によっては、新政権は、利上げ反対の立場に転ずる可能性もありました。
やや唐突感のあった今回の利上げですが、日銀にとって、ゼロ金利解除は長年の悲願であり、政府要人の利上げ催促発言を奇貨として、今しかないとの思いで7月の利上げを行ったと推測します。
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