5年後給与「変わらず」4割弱、「低下する」2割弱
賃金が上向く一方、個人消費は伸び悩んでいる。経済財政白書は、消費が弱い背景に、賃上げの持続力を疑う心理を指摘した。
消費者に5年後の給与所得を聞いたところ、4割弱が「今と変わらない」と答えた。「低下する」も2割弱おり、合計して6割近くの家計が賃金増加を予想していなかった。
特に昇給が終わった中高年層で変わらないと答える人が多かった。
記事
2025年8月6日付日経記事「経財白書で探る成長のヒント(2) 5年後給与「変わらず」4割弱 賃上げ不信で消費不振」によれば、
「個人消費の回復に力強さが欠けている。今年の経済財政白書は消費が弱い背景に、賃上げの持続力を疑う心理を指摘した。
統計上は賃金を巡る動きは前向きだ。連合の最終集計によると、2025年の春季労使交渉(春闘)での定期昇給を含む賃上げ率は5.25%だった。33年ぶりの高水準となった24年を上回った。白書は「近年にはない明るい動き」と評価した。
本当に25年の賃上げが働く人の給与に反映されているかを確認するため、白書は給与計算代行のペイロールが保有する速報性が高いビッグデータを確認した。
その結果、25年4~6月平均の所定内給与の伸び率はいずれの年代でも24年を上回っていた。20歳代が前年同期比7.0%増、30歳代が5.4%増と高い伸びを示したが、40歳代も5.0%増、50歳代は同3.2%増だった。賃上げは若年層だけでなく中高年層にも恩恵が及んでいる。
賃金が上向く一方、個人消費は伸び悩む。可処分所得に対する消費支出の割合を示す「平均消費性向」は働く世帯で低下傾向にある。具体的に支出を減らしている項目を内閣府が複数回答で聞いたところ、4割超が食費(外食以外)と答えた。
賃上げの持続性に対する懐疑的な見方が強いことが、消費が低迷する要因となっていると白書は指摘する。消費者に5年後の給与所得を聞いたところ、4割弱が「今と変わらない」と答えた。「低下する」も2割弱おり、合計して6割近くの家計が賃金増加を予想していなかった。
特に昇給が終わった中高年層で変わらないと答える人が多かった。若年層は昇給が期待できることから、20歳代・30歳代は「上昇する」との回答が5割程度と高かった。それでも3割以上が「今と変わらない」と答え、1割以上は「低下する」と回答した。
5年間の給与の伸びについて20歳代・30歳代で「10%以上の上昇」を想定する割合は2割程度だった。10%増は連合が集計する賃上げ率で22~24年の3年間で実現されている水準だと白書は指摘する。
若い年齢層においても、今後5年間で年2%程度以上のペースの賃上げを想定しているのは全体の2割程度にとどまる。白書は「持続的な賃金上昇に確信を持てていないと言え、賃金の据え置きを想定するという意味でのデフレマインドが依然として一定程度染みついている様子がうかがえる」と分析した。」
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