円安で、外貨建て保険解約急増。2024年1-3月
2024年1-3月の円安進行により、含み益が一定の水準に達すると円建てに切り替わる「目標到達型」の外貨建て保険の解約が増えたようです。
2024年8月21日付日経記事「家計が生保離れ、1.8兆円流出 16年ぶり高水準、円安が影響 1~3月」によれば、以下、抜粋
「家計の資金が生命保険から離れている。
日銀統計によると2024年1~3月に家計の貯蓄性の保険は約1兆8000億円流出し、16年ぶりの高水準だった。日銀の資金循環統計から家計のお金の流れを分析した。
投資信託への流入額は約3兆4000億円と、07年4~6月以来およそ17年ぶりの水準だった。第一生命経済研究所の星野卓也主席エコノミストは「保険から投資へ資金が動いている」との見方を示す。
大きな構造変化が進むなかで生保の足元の流出が08年1~3月以来の水準になるのは、為替が動いた影響が出たことが背景にある。
今回の生保離れの主因は為替変動による外貨建て保険の解約だ。日本生命保険では24年1~3月の解約件数が前年同期の約3倍になった。この時期に解約された同種の保険の件数が7倍弱に増えた大手生保もあった。
年初に1ドル=140円台後半だった円相場は、3月下旬に151円台後半まで円安・ドル高が進んだ。
含み益が一定の水準に達すると円建てに切り替わる「目標到達型」の外貨建て保険で解約が増えたとみられる。
外貨建て保険を取り扱う銀行窓販では、保険を解約した資金が他の金融商品に向かう傾向も目立った。
ある大手行は23年度に外貨建て保険を解約した顧客のうち、解約後に投資信託やファンドラップなど他の金融商品を購入した顧客が最大4割に上ったと試算している。」
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