夜に進む円高
外国為替市場で、夜間の海外時間に、円相場が円高方向に動く傾向が強まっているようです。
東京時間のメインプレーヤーである日本企業や個人投資家は円売り傾向になっており、時間帯による値動きの差が目立っているようです。
記事
2024年9月6日付日経記事「夜に進む円高、海外勢主導 8月海外時間、2円79銭進行 米利下げ視野でドル売り」によれば、以下、抜粋
「日銀が毎営業日公表するデータをもとに日本時間午前9時から午後5時までを東京市場、残りの時間帯を海外市場の取引時間とみなして円相場の動きを分析すると、海外での円高が顕著だ。
8月は海外時間に累積で2円79銭円高・ドル安が進んだ。東京時間の円高進行は59銭とわずかだった。
7月の米雇用統計で米労働市場の冷え込みが明らかになり、FRBによる急速な利下げ観測が円相場を動かすようになったためだ。金利差に着目して円とドルを取引する投機筋は日本より海外に多い。
この流れが9月も続き、4日時点では、海外時間に累積で1円94銭円高・ドル安が進んでいる。東京時間は1円14銭の円高・ドル安にとどまる。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは「中長期的な利上げパスを既定路線として意識している海外投資家は多い。国内勢よりも円高バイアスは強く、日銀高官による利上げを示唆する発言にも素直に円買いで反応している」と語る。
BofA証券の主席日本為替金利ストラテジスト、山田修輔氏は「輸出企業の円転はひと段落した。足元では1ドル=150円台まで再び円安が進むタイミングを待ち、円買いを控えている印象だ」と指摘する。
東京時間では、外国為替証拠金(FX)取引を手がける個人も、ドル買い・円売りへの傾斜が続く。
店頭FX業者7社(GMOクリック証券、外為どっとコム、セントラル短資FX、マネーパートナーズ、マネックス証券、トレイダーズ証券、SBIFXトレード)のデータでは、「ドル・円」取引の総建玉に占める「ドル買い・円売り」の比率が7月上旬から9週連続で5割を上回る。1ドル=143円台をつけた8月下旬には、6割を超える場面もあった。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、7月2日時点で史上2番目の規模に相当する18万4223枚も円を売り越していた投機筋(非商業部門)は、8月27日時点で2万5868枚(約3200億円)の円買い越しに転じている。買い越し幅は21年2月以来3年半ぶりの高水準となる。
米景気が失速し米利下げが加速するとの観測が強まれば「米利下げトレード」によってじわじわと円高が進む可能性がある。」
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