DIE WITH ZEROの資産運用日記

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自社株買いと賃上げ

DIE WITH ZERO

昨年(2024年)、上場企業の自社株買いは、前年比7割増の17兆円となり、海外勢が7月以降売り越し傾向を強めるなか、企業は、最大の買い主体となって、日本の株価を支えました。


これを見て、もっと他に、お金の使い道はないのかと思った人は少なくないはずです。


かつて、高度成長期には、企業は設備投資を積極的に行い、足りない資金は銀行から借り入れました。


国民は、貯蓄に励み、銀行は、その預金をもとに、企業に対し融資を行いました。


その後、低成長期になると、企業は、海外投資は行ったものの、国内投資には消極的となり、内部留保を厚くしました。その内部留保が、2024年の自社株買いの原資となりました。


ところで、日銀が発表している資金循環表から、家計部門・企業(金融を除く)部門・政府部門・海外部門の4部門間の資金の流れを把握することができます。


近年、日本では、家計と企業は資金余剰主体、政府と海外は資金不足主体となっています。

日本の資金循環の特徴は、本来、資金調達をして設備投資などを行うはずの企業が1990年後半から一貫して資金余剰主体であり続けていることです。


とくに、この1~2年、日本経済が、デフレからインフレに転じたことで、コストを販売価格に転嫁できるようになった企業は、より資金余剰が大きくなりました。


その一方で、物価が上がるほどには賃金が上がらなかった家計は、資金余剰が縮小しました。


物価と賃金の好循環を実現させるべく、政府が企業に働きかけた結果、昨年の春闘では久しぶりの大幅な賃上げが実現しました。


2024年の第3四半期の資金循環表においても、依然として、企業の資金余剰は高水準を保っており、賃上げの原資は豊富です。


儲かっている企業は、自社株買いも結構ですが、是非、賃上げにも積極的に取り組んでいただきたいものです。


(資料)日銀:資金循環統計(速報)(2024年第3四半期) 2024年12月18日発表

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf



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