日本株、海外投資家の買い越しが過去最高、2025年10月
海外投資家は2025年10月に日本株を3兆4413億円買い越し、日経平均株価が5万円台に乗せる原動力となった。
月間ベースで過去最高だったアベノミクス相場下の13年4月(2兆6826億円)を大幅に上回った。
相場に短期的な過熱感が出ており、株高の持続には政府による成長戦略の実現や、企業の資本効率の一段の向上が不可欠となる。
記事
2025年11月8日付日経記事「海外投資家の日本株買い越し最高の3兆円超 10月、資本効率など注視」によれば、
「海外投資家による日本株買いが鮮明だ。10月は月間で最大の買い越しとなり日経平均株価が5万円台に乗せる原動力となった。
株価の上昇は一部の人工知能(AI)関連銘柄がけん引し、相場に短期的な過熱感が出ている。株高の持続には政府による成長戦略の実現や、企業の資本効率の一段の向上が不可欠となる。
東京証券取引所が7日発表した投資部門別株式売買動向(東証と名古屋証券取引所の合計)によると、海外投資家は10月に日本株を3兆4413億円買い越した。
月間ベースで過去最高だったアベノミクス相場下の13年4月(2兆6826億円)を大幅に上回った。
インフレや株主を重視する経営といった経済・企業の変革への期待に加え、高市早苗首相の誕生が日本株買いを促した。
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのファンドマネジャー、クリスチャン・ヒュー氏は「少なくとも資本市場や経済の観点から、高市新政権の誕生で日本は欧州に比べはるかに魅力的になった」と話す。
野村証券の日本株責任者、西哲宏執行役員は海外勢は高市氏が唱える財政拡張や防衛支出の拡大を好意的に捉えていると指摘。
「日本企業の稼ぐ力が向上しているなか、政府主導の国家成長ストーリーは他の地域に比べ海外投資家に魅力的に映る」とみる。野村証券が12月に開く日本株のカンファレンスは、北米、アジアを中心に海外投資家の登録者数が24年より10%弱増加しているという。
マネーの出どころにも変化が表れている。
東証が地域別にまとめた売買動向では、株価の上昇が続く4〜9月の買越額のうち、20%が北米からのものだった。10%にとどまっていた23年4月〜24年3月から急増した。
北米の投資家は「AIや防衛・知財など、成長テーマに乗った競争力ある大型株を好む」(BofA証券の圷正嗣チーフ日本株ストラテジスト)。株価が割安か割高かを重視する傾向がある欧州勢に加え成長志向が強い投資家が増え、株高につながった。
ドルでみた日本株の値持ちの良さは、マネーを呼び込む好循環をうむ。
日経平均を為替レートで割ってドル建てでみた値は今年3割近く上昇。
米国株運用の指標となる米S&P500種株価指数の2倍ほどのリターンだ。欧州主要企業を集めたSTOXX600も上回る。
昨年の急速な円安で、ドルベースの運用成績が米国株に劣後していた状況から一変した。みずほ証券の石川真理子・機関投資家営業部長は「米国のグローバルファンドの資金規模は大きく、日本株の保有を増やせばインパクトも強い」と指摘する。
海外勢の買いは足元で一服しつつある。10月最終週の買い越し幅は3459億円と、前の週の半分にとどまった。
日経平均は10月末に史上最高値(5万2411円)をつけて以降、下落に転じた。
7日終値は前日比607円(1%)安の5万0276円。週間では2134円(4%)下げ、下落率は4月第1週(9%)以来の大きさとなった。
国内外で上げ相場を主導するAI関連銘柄は高値警戒感が広がる。
米景気の先行きが見通しにくいなか、米連邦準備理事会(FRB)の12月利下げが不透明になっていることも株価の重荷だ。
株高の持続には、日本株固有の新たな買い材料が欠かせない。
UBS証券の守屋のぞみ株式ストラテジストは「買いの対象が増えるには、株主還元・事業再編・成長投資が広がっていくことが必要」と指摘する。
TOPIXの自己資本利益率(ROE)は9%台と、13%台の欧州や18%台の米国になお見劣りする。資本効率を高め、企業価値を高める取り組みが欠かせない。
10月下旬から始まったコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)改訂に向けた議論では、金融庁が現預金を投資などに有効活用できているかの検証を企業に求める、といった方向性を示した。
UBSの守屋氏は約1カ月前に北米の投資家と面談し、日本株の調査体制の拡充といった投資意欲の根強さを感じたという。
海外勢の関心が高いうちに、投資対象としての魅力に磨きを掛けることが求められる。(坂部能生、石川智尋)」
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