東京抹茶(TOKYO MATCHA)

東京都が茶農家の煎茶から抹茶への生産切り替えを支援する。緑茶のなかで最も一般的な煎茶の需要が落ち込む中、訪日客の人気が高い抹茶への転換を後押しする。
抹茶は海外で人気となり輸出が増えている。価格も上昇し煎茶に比べ高い価格で取引されている。国内でも訪日客に人気だ。各地で抹茶への転作が続くが、供給が追いつかない状況だ。
都は「東京抹茶(TOKYO MATCHA)」として都内産抹茶のブランド化も支援する。
記事
2026年5月20日付日経記事「東京狭山茶→TOKYO MATCHA 都、茶農家の抹茶シフト後押し #ハッシュタグ」によれば、

東京都は「東京抹茶プロジェクト」で抹茶原料の生産を支援する=東京都提供
東京都が茶農家の煎茶から抹茶への生産切り替えを支援する。緑茶のなかで最も一般的な煎茶の需要が落ち込む中、訪日客の人気が高い抹茶への転換を後押しする。「東京抹茶(TOKYO MATCHA)」としてブランド化もめざし、産地や収益基盤を維持する。
「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と古くから歌われた狭山茶は日本三大銘茶として知られる。主な産地は埼玉県だが、都内でも瑞穂町や武蔵村山市で生産する。埼玉県産と区別するため、昭和中期に「東京狭山茶」として売り出した。昔ながらの製法「狭山火入れ」で仕上げ、濃厚でコクのある煎茶だ。
東京狭山茶の農家は都市近郊という立地を生かし、直売や既存顧客向けで一定の販路を確保している。ただ、農家の高齢化や後継者不足は課題で、都市部に近いため宅地開発の影響も受けやすい。相続を機に茶園を手放す事例もあり栽培面積は縮小傾向にある。
都は茶農家の長期的な所得安定や茶畑維持に向け、煎茶から抹茶への転作を支援する。ともに緑茶の種類の一つで、チャノキの葉からつくられるが、煎茶とは違い、抹茶原料のてん茶をつくるには茶葉収穫前の約20日間は日よけで日光を遮る必要がある。
加工方法も煎茶は収穫後に蒸してもむ工程を繰り返して仕上げるが、てん茶はもまずに専用の炉で乾燥させて低温で熟成した後に臼でひいて粉末状にする。煎茶が4月から5月に店頭に並ぶ一方、抹茶は秋から冬に出来上がる。
生産、加工ともに煎茶より手間がかかるため、都は2026年度予算に2000万円を計上し日よけや加工委託費を補助する。初期投資の負担を減らし、転作しやすくする。農協を通じて農家向け講習会を開くなど、担い手も段階的に増やす方針だ。
26年度は1事業者が試験的に生産に取り組み、時間をかけて参画者を増やす。都の担当者は「需要を喚起し、可能性を示して農家の参入を促したい」と語る。
抹茶生産は都内で前例が少なく、農家は栽培ノウハウが乏しい。埼玉県の狭山地域など先行産地の農家から指導を受けるほか、加工も近隣県に委託する予定だ。
都が支援に乗り出す背景には煎茶の消費縮小がある。主な消費層は60代以上など高齢で、若年層の消費量は減っている。25年の1世帯あたりのリーフ茶消費量は09年と比べて4割弱減った。

一方で抹茶は海外で人気となり輸出が増えている。価格も上昇し煎茶に比べ高い価格で取引されている。国内でも訪日客に人気だ。各地で抹茶への転作が続くが、供給が追いつかない状況だ。
都は「東京抹茶(TOKYO MATCHA)」として都内産抹茶のブランド化も支援する。市場調査、抹茶を使った商品開発も進める。都の担当者は「生産量は多くないが、世界で『TOKYO』の知名度は高い。名を冠して売り出せば付加価値になる」と話す。25年にはイベントで東京産抹茶をふるまうなど周知も始めた。生産支援と販売促進の両輪で東京産抹茶の浸透をめざす。(熊谷静太郎)

東京都主催の「東京大茶会」では東京産抹茶をふるまった=東京都提供
#MATCHA
茶葉を粉末状にした緑茶。健康志向や日本食人気を背景に海外で需要が拡大。抹茶ラテやアイス、菓子など幅広い食品に使われ、見た目の鮮やかさや手軽さからSNSを通じて世界に広がっている。