介護保険サービス2割負担拡大巡り厚労省4案
厚労省は、2025年12月1日に開く社会保障審議会の介護保険部会で、介護サービス利用料の2割負担の対象者拡大の案として、現在の280万円とする所得基準を260万、250万、240万、230万円に引き下げる4案を提示する。
4案のうち下げ幅が最大の230万円なら2割負担の対象は33万人ほど拡大する。
現状ではサービスを利用する人のうち90%以上が1割負担で、2割負担は4.3%、3割負担は3.8%にとどまる。
記事
2025年11月29日付日経記事「介護保険料40〜120億円圧縮 2割負担拡大巡り厚労省4案」によれば、
「介護サービス利用料の2割負担の対象者拡大に向けた厚生労働省案が28日分かった。
いま280万円とする所得基準を260万、250万、240万、230万円にそれぞれ引き下げる4案があり、介護保険料の圧縮効果は40億〜120億円を見込む。
収入や預貯金がある高齢者の負担を増やし、現役世代の保険料を軽くする。
12月1日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護保険部会で示す。
現状の介護保険は利用者の自己負担は原則1割で、単身世帯で年金収入とその他の所得が計280万円以上といった場合は2割、現役世代並みの所得がある人は3割を負担する。
4案のうち下げ幅が最大の230万円なら2割負担の対象は33万人ほど拡大する。介護給付費をおよそ240億円、保険料を120億円、国費を60億円圧縮できる。
下げ幅が最も少ない260万円のケースだと対象拡大は13万人にとどまる。給付費と保険料、国費の圧縮効果もそれぞれ80億円、40億円、20億円まで縮む。
新たに2割負担となる人には激変緩和措置として、当分は月7000円の負担増加の上限額を設ける案も示す。
預貯金額が一定額以下の人は1割負担を維持する方向だ。単身世帯の場合、預貯金が300万、500万、700万円の3つのケースを例示する。
たとえば所得基準を280万円から240万円に引き下げた場合、新たに26万人ほどが2割負担の対象となる。預貯金額が500万円以下の人に適用するケースだと、12万人は1割負担で据え置きになる。
今も特別養護老人ホームの入所者について、預貯金額などに応じて全額自己負担が原則の食費や居住費の一部を補助する制度がある。この仕組みを参考に、利用者の申請を受けた自治体が金融機関に確認し認定証を出す方法を想定する。
厚労省はかねて2割負担の対象拡大を検討してきたものの、自民党や関係団体などの反発で過去3度結論を先送りにした。
政府は6月に決めた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に「25年末までに結論が得られるよう検討する」と明記した。
現役世代の保険料負担は高齢者医療費への「仕送り」などで膨らみ可処分所得を圧迫している。
26年度からは少子化対策の財源として医療保険料に上乗せする支援金の徴収も始まる。改革が遅れれば賃上げ効果を打ち消し、日本経済を下押ししかねない。
自民党と日本維新の会の連立合意書は現役世代の負担軽減を掲げた。高齢者の負担増には反発も強く、基準引き下げの調整は難航が予想される。
介護サービスの利用料は00年度の制度開始当時は所得にかかわらず1割負担だった。
給付費を抑制するため15年に単身世帯で年金収入などが280万円以上の人が2割、18年には340万円以上が3割を負担する仕組みを導入した。
現状ではサービスを利用する人のうち90%以上が1割負担で、2割負担は4.3%、3割負担は3.8%にとどまる。」
(関連ブログ)
介護2割負担は預貯金も考慮、厚労省案 - DIE WITH ZEROの資産運用日記