日本国債の新たな支え手、海外から
国債残高の4割強をもつ日銀が買い入れ減額を続けるなか、海外勢を含めた保有者層の拡大が安定消化には欠かせない。
高市政権の財政政策や中東情勢の悪化への懸念から、市場関係者は金利上昇を警戒する。
財務省の官僚も海外投資家との対話に力を入れる。理財局国債企画課は24年度、海外訪問やオンライン、国内での面談を含めて広報を204回実施した。5年前から7割増えた。
記事
2026年4月28日付日経記事「国債 誰が支えるか(上)新たな支え手、海外から 安定運用へ保有者層拡大 財務省、投資家対話に注力」によれば、
「日本国債への関心が高まっている。日銀の政策転換で金利ある世界になり、2026年度も大規模な発行が続く。高市早苗政権の財政政策や中東情勢の悪化への懸念から、市場関係者は金利上昇を警戒する。国債営業の最前線に迫った。
高市首相が衆院解散を表明した翌日の1月20日。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時2.380%と27年ぶりの高水準に達した。与野党が消費税減税をかかげ、選挙後に財政悪化が進むとの見方が強まった。
同じ日、片山さつき財務相は世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席するためスイスにいた。金利の急騰に片山氏は虚を突かれた。
「投資家は神経質になっている。日本の債務膨張を懸念する人々にどう説明するのか」。消費税減税など高市首相が打ち出した財政政策に関し、片山氏は海外メディアからの質問攻めにあった。
「市場のみなさまには落ち着いていただきたい」。米ブルームバーグのインタビューでこう呼びかけた。高市政権の財政政策は「先を見越したものであって、拡張的ではない」と説明した。
国債を巡る環境は変わった。金利ある世界の到来で海外勢の存在感が高まる。国内証券会社の担当者は「今まで関心を示してこなかった多様な投資家からの問い合わせが相次いでいる」と話す。
国債残高の4割強をもつ日銀が買い入れ減額を続けるなか、海外勢を含めた保有者層の拡大が安定消化には欠かせない。片山氏は帰国後、国債の売りが広がったことについて「海外に対するコミュニケーションが欠けていた」と語った。
財務省の官僚も海外投資家との対話に力を入れる。理財局国債企画課は24年度、海外訪問やオンライン、国内での面談を含めて広報を204回実施した。5年前から7割増えた。2日に1回以上のペースで海外投資家と会っていることになる。
3月中旬、国債企画課の菅原元気課長補佐はアジアを代表する金融都市、シンガポールにいた。銀行や国際機関など様々な投資家と面会した。
「情勢悪化が長引けば、追加の財政出動が必要になるのでは。国債の発行計画はどう変わるのか」。話題の中心はイランでの軍事衝突だった。
菅原氏は「個人的には国債の追加発行は現時点で論じる段階ではないと考えている」と伝えた。先行きは不透明で「今後については明言することは難しい」とも付け加えた。基金を用いてガソリン価格を抑える補助金を出すなどと説明した。
海外投資家との意見交換は日本国内でも活発だ。自民党が衆院選で大勝した直後の2月中旬、オーストラリアの年金ファンドの運用担当者が財務省を訪れていた。
「市場関係者は非常に困惑している」「財政規律を保ち、海外投資家からの再評価を得られるようにすべきだ」――。面会した菅原氏にこう迫った。高市首相の財政政策を海外勢も注視する。
英運用会社のコルチェスター・グローバルインベスターズでアジア投資を担うクラウディア・ゴルメイアー氏は「日本の当局の取り組みは極めて積極的だ。対話への姿勢がよりオープンになっていることを実感する」と評価する。」
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