ECB、4会合連続で利下げ決定。2025年1月30日

欧州中央銀行(ECB)は30日の理事会で、政策金利を0.25%引き下げると決めた。
ECBは2024年6月に利下げを開始、7月は政策金利を据え置いた後、9月、10月、12月と3会合連続で政策金利を引き下げていた。これまでの利下げによる金利引き下げ幅は合計で1.25%になる。
ECBが利下げを継続することで米国との金利差が開き、ドル高・ユーロ安に拍車をかける恐れがある。
ドイツ銀行は25年中に1ユーロ=0.95ドルまで下落し、1ユーロの価値が1ドルを下回る「パリティ(等価)割れ」が起きるとの見方を示す。
欧州連合(EU)統計局が30日発表した24年10〜12月期のユーロ圏の実質GDP成長率は、速報値で前期比ゼロ%と横ばいで、年率換算で0.1%だった。欧州の経済大国であるドイツとフランスがそろってマイナス成長に転落した。
記事
2025年1月31日付日経記事「ECB、4会合連続で利下げ決定 停止の議論「時期尚早」によれば、
「欧州中央銀行(ECB)は30日の理事会で、政策金利を0.25%引き下げると決めた。政策金利を下げるのは4会合連続だ。ラガルド総裁は同日の記者会見で利下げを止める議論について「時期尚早だ」と述べ、利下げ継続を示唆した。
ECBは政策金利の一つで市場が注目する中銀預金金利を3%から2.75%に引き下げる。先立つ29日には米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を4会合ぶりに据え置いており、欧米の主要中銀で利下げのペースが異なってきた。
ラガルド氏は理事会後の記者会見で「インフレ鈍化は順調に進んでいる」との認識を示した。物価上昇率は「年内に目標の2%に戻る見込みだ」とも語り、インフレ抑制に自信をみせた。
今後の利下げペースを巡っては「特定の経路を確約しない」としつつ「どこで止まるかは時期尚早であるため議論していない」と説明。利下げの継続を強く示唆した。ラガルド氏によると今回の決定は全会一致で、0.5%の大幅利下げの議論はなかった。
ECBは2024年6月に利下げを開始した。7月は政策金利を据え置いた後、9月、10月、12月と3会合連続で政策金利を引き下げていた。これまでの利下げによる金利引き下げ幅は合計で1.25%になる。

理事会内部では、米国と比べた欧州経済の弱さに懸念が強まっている。ラガルド氏も記者会見で「当面は低迷が続くもようだ」と景気下振れのリスクに言及した。
景気減速は物価が過度に下振れするリスクを招くため、これまで理事会内部でも予防的な利下げを求める声が出ていた。ECBはユーロ圏の物価上昇率が25年4〜6月期に2.1%と、2%の物価目標にほぼ到達するシナリオを描いている。
欧州連合(EU)統計局が30日発表した24年10〜12月期のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)成長率は、速報値で前期比ゼロ%と横ばいで、年率換算で0.1%だった。欧州の経済大国であるドイツとフランスがそろってマイナス成長に転落した。
先行きは波乱材料が増えている。トランプ氏は巨額の貿易赤字を問題視してEUへの関税の検討に言及した。
貿易摩擦の拡大は輸出の下押しを通じて、ただでさえ弱い欧州経済の成長力を一段と弱らせかねない。ラガルド氏は記者会見で「摩擦の増大はユーロ圏の成長にとって重荷になりうる」と懸念を示した。
特にドイツは米国が最大の輸出相手国で、中国市場とも自動車を中心に関係が深い。経済安全保障の観点からもサプライチェーン(供給網)の見直しが急務になる。
ドイツ政府は29日、国内外の政治不安が投資や消費の重荷になるとして、25年の成長率予測を従来の1.1%から0.3%に引き下げた。2月に迫る独総選挙では移民問題と並んで景気立て直しの経済政策が二大争点になる。

利下げを見送った米連邦準備理事会(FRB)との金融政策の違いも跳ね返ってくる。ECBが利下げを継続することで米国との金利差が開き、ドル高・ユーロ安に拍車をかける恐れがある。ユーロ安は輸入物価の押し上げを通じてインフレ圧力となりかねない。
ドイツ銀行は25年中に1ユーロ=0.95ドルまで下落し、1ユーロの価値が1ドルを下回る「パリティ(等価)割れ」が起きるとの見方を示す。足元の1.04ドル台から9%ほど下落する想定だ。
市場は次回3月の理事会でも利下げに動くと織り込む。一部の理事会メンバーからも容認する声は出るものの、市場の利下げ期待が過度に高まれば米国との金利差拡大を通じてユーロ安に拍車をかけかねない。2%の物価目標の達成を視界に捉えるなか、物価と景気の安定両立の難しさに直面する。」
(関連ブログ)
FRB、金利据え置き。2025年1月29日決定会合 - 生活レベルを下げられない後期高齢者の資産運用日記