マドゥロ大統領「私は拉致された」、罪状を全面否認 2026年1月5日

米政府に身柄を拘束されたベネズエラのマドゥロ大統領は1月5日、麻薬テロリズム共謀などの罪で起訴された裁判の被告人としてNY連邦地裁に初出廷した。
マドゥロ氏が起訴された罪状は4件(妻のフローレス氏は3件)。①政権幹部として米国の麻薬汚染を意図してコロンビア革命軍などの密輸組織を支援、②米国へのコカイン密輸を企て、③④麻薬密輸のために銃器を所有、または企てたことだ。最高で死刑もあり得る。
マドゥロ氏は「私はベネズエラの大統領であり、拉致された」と述べ、4件の罪状を全て否認した。
5日の公判では、弁護側は裁判でどのように戦うか方針を明らかにしなかった。最大の争点になるのは、外国元首を裁くことができるかどうかだ。
記事
2026年1月6日付日経記事「マドゥロ氏「私は拉致された」罪状を全面否認 NY連邦地裁に初出廷」【ニューヨーク=朝田賢治、溝渕美香】によれば、
「米政府に身柄を拘束されたベネズエラのマドゥロ大統領は5日、麻薬テロリズム共謀などの罪で起訴された裁判の被告人としてニューヨーク連邦地裁に初出廷した。マドゥロ氏は「私はベネズエラの大統領であり、拉致された」と述べ、4件の罪状を全て否認した。
米政権は米国内法を根拠にマドゥロ氏の刑事責任を問う。
外国指導者を米国で裁いた先例となるパナマのノリエガ将軍の事例を踏まえると、弁護側は元首を拘束・連行した行為の正当性や、米国内法の免責特権などを争点とする可能性がある。
マドゥロ氏は5日午前、拘束されているニューヨーク市ブルックリンの連邦拘置施設から同市マンハッタンの連邦地裁まで護送された。裁判所の一帯は市警察が厳重な警戒を敷いた。傍聴には約100人の報道陣が集まったほか、周辺にはマドゥロ氏を批判する側と擁護する側の双方の市民が集まり、デモをおこなった。
マドゥロ氏は正午過ぎに妻のシリア・フローレス氏とともに法廷に入った。担当判事のヘラーステイン氏から人定質問を受けると、堂々とした様子でスペイン語で「私はベネズエラの大統領だ。(米政府により)拉致された」と語った。
続く罪状認否では、全ての起訴罪状について「私は無罪だ。潔白だ」と述べ、全面的に否認した。妻のフロレス氏も同様に否認した。
午後0時30分ごろ閉廷した。大柄のマドゥロ氏は被告人席に足を開いて座り、終始余裕のある表情をみせていた。メモをとっていいか判事に許可を求める場面もあった。一方、フローレス氏は額にばんそうこうを張るなど負傷している様子で、受け答えも弱々しかった。

マドゥロ氏が起訴された罪状は4件(フローレス氏は3件)。①政権幹部として米国の麻薬汚染を意図してコロンビア革命軍などの密輸組織を支援、②米国へのコカイン密輸を企て、③④麻薬密輸のために銃器を所有、または企てたことだ。最高で死刑もあり得る。
検察側はいずれも反米主義をとったチャベス前政権が成立した1999年以降、政権幹部として意図的に米国の麻薬汚染を引き起こそうとしたと主張している。いずれも薬物や銃器犯罪を罰する連邦法典の条項に依拠する。
5日の公判では、弁護側は裁判でどのように戦うか方針を明らかにしなかった。最大の争点になるのは、外国元首を裁くことができるかどうかだ。
似た事例として注目を集めているのが、30年以上前に米国がパナマの軍事独裁政権の指導者ノリエガ将軍(当時)の裁判だ。
米国はコロンビアのカルテルを通じて米国への麻薬密輸を支援したと主張して米軍がパナマに侵攻した。ノリエガ氏を拘束し、フロリダの裁判所で起訴した。
90年に始まった裁判でノリエガ氏の弁護側は、パナマに侵攻して同氏を逮捕したことが国際法に違反すると主張。さらに同氏は外国元首であり、免責特権を持っているとの立場をとった。ただ、判事はこうした主張を認めず、懲役40年の判決を言い渡した。
当時、米司法省は「米大統領はFBIなど法執行機関に外国で人を拘束するよう命じる憲法上の権限がある」との立場をとった。米国務省はノリエガ氏を正当なパナマの元首と認めていなかった。
今回のマドゥロ氏への起訴状では「事実上の統治者」と認めており、法的扱いに違いがある可能性がある。」
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