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防衛財源、危うい税収増頼み

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2027年度以降の防衛費増額に対し、高市首相の財政政策を支持する自民党議員は財源として経済成長とインフレによる税収増に期待する。


だが、税収が増えたとしても防衛費だけに使えるわけではない。物価が上昇すればその他の歳出も拡大する。


国防費を増やす欧州では代わりになる安定財源探しがセットだ。英国は増額分の一部を対外援助予算の削減で捻出すると決めた。フランスはヨットや競走馬といった富裕層のぜいたく品、大企業の利益への課税を強化する。


自民党内でも安保を専門とする議員には安定財源が必要との認識はある。党安保調査会の会合では「増税も必要だろう」との発言があった。


記事

2026年5月28日付日経記事「防衛財源、危うい税収増頼み 自民党議連が成長・インフレに期待」によれば、


「政府・与党は2027年度以降の防衛費増額に向けた議論を本格化する。高市早苗首相の財政政策を支持する自民党議員は財源として経済成長とインフレによる税収増に期待する。安全保障の専門家はその危うさを指摘し、安定財源の確保を求めている。


自民党の「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は28日、早大の若田部昌澄教授の講演を聞いた。高市政権で経済財政諮問会議の民間議員を務める経済学者だ。同議連は党所属国会議員の4割に近い150人ほどが参加する。


若田部氏は「成長戦略が(企業の)供給量や生産性を向上させ、今度は財政の財源になっていく。税収増とか財政余力という形で財政の持続可能性が向上する」と説明した。


高市政権は財政運営で債務残高を国内総生産(GDP)比で安定的に下げる目標を掲げる。政策的経費を税収などでまかなえているかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)は数年単位でバランスを確認する方針に転じた。


同様に諮問会議で民間議員を務める永浜利広氏は財政余力を指摘する。債務残高のGDP比を上昇させない範囲で支出できる規模は31年度に15兆円と見積もる。


物価上昇の影響を反映した名目経済成長率が債務残高の増加率を上回れば、財政運営は持続可能だとみる。


議連がいま議論を喚起するのは年末に向けた財源論を意識するためだ。政府は安全保障関連3文書を改定し、新たな防衛費の水準を決める。


防衛費は25年度に補正予算とあわせて11兆円ほどを計上した。現行計画を決めた際に見込んだ22年度のGDPおよそ560兆円のおおむね2%にあたる。


党安全保障調査会が25日に了承した提言案で防衛費をどこまで増やすのか具体的な金額に触れなかった。北大西洋条約機構(NATO)や韓国などがめざす「GDP比3.5%」を参考となる水準として挙げた。


日本は物価が上昇し、名目GDPが増加傾向にある。次の防衛力整備計画で基準とする26年度はおよそ690兆円を見込む。



GDP比を現在と同じ2%に据え置いても基準年の変更で防衛費は13.8兆円ほどになる計算だ。25年度の11兆円と比べて2.8兆円増やす必要がある。仮にGDP比3.5%まで引き上げるならば、およそ24兆円と13兆円ほど増額しなければならない。


自民党議連にはこうした財源の大部分を今後の税収増でまかなえるという見方が出ている。高市政権の戦略17分野の投資などで経済のパイが大きくなる前提に立つ。


政府は26年度の一般会計の税収を83.7兆円と見込む。新たな整備計画が最終年度を迎える31年度にはどの程度になっているのか。


野村総合研究所の木内登英氏は想定される経済シナリオをもとに31年度に104.8兆円程度と試算する。26年度の見込み額と比べて21兆円ほど伸びる計算だ。これまでの税収増のペースが加速するとみられる。



税収が増えたとしても防衛費だけに使えるわけではない。物価が上昇すればその他の歳出も拡大するのが自然だ。


木内氏は国民生活を守る観点からインフレ対策が必要になると説く。「中低所得者への事実上の増税になるため放置すべきではない」と話す。


金融危機や災害などで想定通りに経済成長するとは限らないシナリオもありうる。市場が将来の財政不安を見込めば金利の上昇や円安につながる。


円安の進行はドルなど外貨建てで輸入する防衛装備品の価格上昇を招く。円安が続くと予算を増やしても計画通りに装備品を買えない可能性がつきまとう。


すでに為替の問題は起きている。装備品の輸入費は26年度に1兆1400億円超と22年度に比べ1.9倍に増えたが、ドル換算ではおよそ1.4倍の伸びにとどまる。円安が進み、想定レートが1ドル108円から149円になったためだ。


国防費を増やす欧州では代わりになる安定財源探しがセットだ。英国は増額分の一部を対外援助予算の削減で捻出すると決めた。フランスはヨットや競走馬といった富裕層のぜいたく品、大企業の利益への課税を強化する。


自民党内でも安保を専門とする議員には安定財源が必要との認識はある。党安保調査会の会合では「増税も必要だろう」との発言があった。


慶大の神保謙教授(国際政治学)は「安定財源で防衛費を担保することは抑止力そのものだ」と強調する。「国債に頼り市場の信認が得られないと、財源の安定性が揺らぎ装備品をまともに調達することすら難しくなる」と訴える。


元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「防衛は国が責任を持つ基幹事業であり、費用は国民が均等に負担すべきだ。財源は税金を充てるのが望ましい」と語る。同時に防衛予算の使途について「防衛省・自衛隊は国民の理解を得る説明が求められる」と話す。


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