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「国債市場のクジラ」日銀の購入減が難所に

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日銀は2026年6月15〜16日の決定会合で、1年前に決めた国債買い入れ計画の中間評価を実施するが、国債買い入れの減額をいつまで続けるかが焦点になる。


取り沙汰されるのは①減額を停止して月2.1兆円の購入を維持②四半期ごとの減額幅を2000億円から1000億円に縮小③2000億円の減額ペースを継続――という3つのシナリオだ。


国債の保有残高を減らし、バランスシートを縮小する量的引き締め(QT)が進みすぎると、長期金利の上昇を招くだけでなく短期金利の制御にも支障を来す恐れがあり、日銀も市場波乱を自ら招かないようにしつつ国債保有をどこまで減らせるか手探りが続く。


記事

2026年5月28日付日経記事「「国債市場のクジラ」日銀の購入減が難所に 金利急騰で政府と神経戦 国債市場のクジラ、日銀の選択㊤」によれば、


「長期金利が急上昇し、国債保有を減らす日銀の出口計画が難所に差し掛かっている。6月の金融政策決定会合では国債買い入れの減額をいつまで続けるかが焦点になる。長期金利の動きに政府は神経をとがらせ、利上げの容認姿勢にも影響が及ぶ。国債市場の「クジラ」と呼ばれる日銀の次の一手を展望する。


減額ペース見直し「市場変動高める」

「債券市場の機能度は戻りつつあり、金利上昇は正常な動きだ」「減額ペースをいじると予見可能性が下がり、市場のボラティリティー(変動率)が高まる懸念がある」。21日、日銀本店で開いた債券市場参加者会合ではこんな声が相次いだ。


日銀は6月15〜16日の決定会合で、1年前に決めた国債買い入れ計画の中間評価を実施する。5月21〜22日に開いた会合はその議論の前さばきで、銀行や証券会社、生命保険会社などから意見を聞き取った。


複数の参加者によると、メガバンクや多くの地方銀行は現行計画が終了する2027年4月以降も買い入れ減額を維持するべきだと表明したもようだ。日銀関係者は「意外にも減額維持を求める声が多かった」と話す。


異次元緩和で国債を大量に購入してきた日銀は、金融政策の正常化に転じた24年から市場での自由な金利形成を促すため国債の購入を減らし始めた。満期償還分との差し引きで国債の保有残高を減らし、バランスシートを縮小する量的引き締め(QT)に着手した。


当初は減額幅を四半期ごとに4000億円としていたが、25年6月の決定会合では26年4月から27年3月までの減額幅を同2000億円に圧縮することを決めた。トランプ関税の混乱で日本の金利も急上昇したことを踏まえ、QTペースを遅らせて市場の安定に配慮しつつ、国債保有の削減は続けてきた。


減額の開始前に月5.7兆円だった日銀の国債買い入れ予定額は、27年1〜3月に月2.1兆円まで縮む見込みだ。



6月の決定会合の論点は、まず現行計画のまま27年3月まで買い入れ減額を続けるか。さらに同年4月以降の買い入れ方針をどのように示すのかだ。現行計画の見直しを求める声は現状でほぼなく、市場の関心は来春以降の計画に集中する。


取り沙汰されるのは①減額を停止して月2.1兆円の購入を維持②四半期ごとの減額幅を2000億円から1000億円に縮小③2000億円の減額ペースを継続――という3つのシナリオだ。


足元では中東緊迫に伴うインフレや財政拡大への懸念から、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが騰勢を強めている。18日には一時、29年半ぶりの高さとなる2.8%に達した。


「速いスピードで上昇している」。19日の記者会見で植田和男総裁もこう認め「国債市場の動向は政府とも緊密に連携しつつしっかりと見ていく」と話した。


その後の債券市場参加者会合でも日銀の国債買い入れ減額を支持する声が広がる一方、需給悪化を警戒し「減額ペースを緩めてほしい」との意見も出た。


「日銀支配後」の買い手育成が急務

高市早苗政権もさらなる金利上昇を危惧する。内閣府幹部は「日銀の国債保有が減るなかで需給環境が変化し、長期金利が上がっている面もある」と話す。


積極財政を唱え、利上げに慎重とされる「リフレ派」の間でも日銀の一定規模の国債購入継続を求める声がある。日本成長戦略会議のメンバーを務めるクレディ・アグリコル証券の会田卓司氏は、国債購入が減りすぎると「過度な金利上昇を通じた金融環境の引き締まりで不用意に経済成長を損なうリスクがある」と指摘する。


日銀の資金循環統計によると、13年春の異次元緩和の開始前、日銀の長期国債の保有残高は90兆円程度だった。その後の大量購入で23年末の残高は581兆円まで膨らみ、QT開始で25年末時点の残高は503兆円になった。


今後は日銀が過去の緩和局面で買った国債の償還も進む。仮に日銀が来春に減額を止めて月2.1兆円(年間では25兆円程度)の国債購入を続けても、保有残高は年間で40兆〜50兆円のペースで減り続けるとの見方もある。日銀関係者は「償還額を考慮すると、仮に減額幅が数千億円変わっても、残高減のペースに大きな差はない」と話す。



国債の発行残高に占める日銀の保有比率は、25年末に3年半ぶりに5割を切った。日銀の「国債市場支配」からの脱却が進むなか、急な金利上昇を抑えるために必要なのは日銀に代わる買い手の確保だ。


新たな買い手では、異次元緩和前に最大の国債保有者だった銀行に期待する声がある。ただ資本規制で以前ほど買い余力はないとの見方も根強い。個人投資家の購入を増やす方策を講じるほか、短期売買が主体の海外勢とも向き合う必要がある。


日銀の適正なバランスシートの規模を模索してほしい」。21〜22日の会合では、QTの着地点を示すよう求める声も出た。日銀のバランスシートの規模は短期金融市場を安定させるのに必要な当座預金の規模と密接に絡む。


QTが進みすぎると、長期金利の上昇を招くだけでなく短期金利の制御にも支障を来す恐れがあり、過去には米連邦準備理事会(FRB)も対応に苦慮してきた。日銀も市場波乱を自ら招かないようにしつつ国債保有をどこまで減らせるか手探りが続く。」


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