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中銀、脱ドル依存へ金購入

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2026年1~3月期の世界の中銀の金需要は前年同期比3%多い243.7トンだった。このところの金価格が下落した場面で中銀の金買いが相場の下支えになっている。


買い入れを進めているのは中国や新興国が中心で、保有資産を金に分散することで米ドルの依存度を下げる狙いがあるようだ


特に目立ったのが中国人民銀行で、2026年4月まで18カ月連続で金を買った。購入額は約8トンと24年12月以来の規模に拡大した。


ポーランド中銀は25年に世界の中銀のなかで最も多く金を購入した。26年に入ってからも買い増し、3月は11トンを記録した。ウズベキスタン(9トン)やカザフスタン(6トン)の中銀も3月に金を購入している。


記事

2026年5月27日付日経記事「中銀、脱ドル依存へ金購入 3%需要増、ポーランドなど 相場下落で「安値買い」によれば、


「世界の中央銀行が金(ゴールド)の保有を増やしている。買い入れを進めているのは中国や新興国が中心で、保有資産を金に分散することで米ドルの依存度を下げる狙いがあるようだ。このところの金価格が下落した場面で中銀の金買いが後押しされ、相場の下支えになっている。



国際調査機関のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、2026年1~3月期の世界の中銀の金需要は前年同期比3%多い243.7トンだった。25年の中銀の金需要は全体の17%を占めており、相場上昇の原動力の一つになっていた。


特に目立ったのが中国人民銀行(中央銀行)の動きだ。今月公表したバランスシートによると、4月まで18カ月連続で金を買った。購入額は約8トンと24年12月以来の規模に拡大した。


ポーランド中銀は25年に世界の中銀のなかで最も多く金を購入した。WGCによると、26年に入ってからも買い増し、3月は11トンを記録した。ウズベキスタン(9トン)やカザフスタン(6トン)の中銀も3月に金を購入している。


世界の中銀は22年以降、外貨準備における米ドル資産を金などに分散させる動きを加速させた。地政学リスクの高まりに加え、ウクライナに侵略したロシアの米ドル建て資産が凍結されたこともあってドルへの過度な依存から脱却を模索している。


金は通貨と違って人が発行できない「無国籍通貨」だ。埋蔵量にも限りがあるため、長期的に資産価値を保存しやすい側面がある。


足元で金価格は下落している。金価格の国際指標の一つロンドン現物価格は、足元で1トロイオンス(約31.1グラム)あたり4500ドル台で推移している。5000ドルを上回っていた米国・イスラエルがイラン攻撃に踏み切る直前の2月末と比べると1割あまり安い水準にある。



原油高でインフレが再燃するとの懸念から米利上げ観測が急拡大し、金利の付かない金の相対的な投資妙味が下がっている。短期間に複数の金融商品の間で資金を動かす機関投資家などが金を売ったことが相場を押し下げた。


価格の調整が中銀の金買いを後押しした節もある。WGCで中央銀行グローバルヘッドを務めるシャオカイ・ファン氏は「金価格が下落したことで、中銀が安値で買いやすくなった可能性がある」とみる。


下がったとはいえ、金価格は昨年末の4300ドル台と比べればなお高い水準だ。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)外国為替・コモディティ営業部でディレクターを務めるヨム・グリム氏は「中央銀行のドル離れ・金買いの動きは今後も止まらない」とみる。


米ゴールドマン・サックスも「最近の地政学の動向は、時間の経過とともに中銀や民間投資家の資産分散の流れを強化する」と指摘する。


ファン氏は4月に訪れた米ワシントンにて各国の中銀担当者と話した感触を踏まえ「世界の中銀の金に対する関心は昨年よりも高まっている」と語る。新興国から先進国まで、幅広い国の中銀と数多くのミーティングが設けられたという。こうした中銀の動きは金相場を下支えする要因の一つとなっている。


今後は米国・イスラエルのイラン攻撃に伴う中東情勢次第となりそうだ。イラン攻撃後、トルコ中銀の金の保有量は目立って減った。エネルギー高を受けた貿易赤字の拡大による自国通貨の下落に歯止めをかけるため、3月に60トンの金を売却したとみられる。


マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎代表は「多くは一定期間後に金を買い戻す通貨交換(スワップ)だった」と分析し、「完全な売却ではなく、金の購入を進めるトレンドの転換を示す物ではない」とみる。


今のところ、トルコ以外に金を大きく売った中銀はみられない。将来的に同じくエネルギーを輸入に頼る新興国などの中銀が売却したり、資金を金購入ではなく自国経済の防衛に回したりする可能性はある。


スイス金製錬会社MKS PAMPで調査・金属戦略責任者を務めるニッキー・シールズ氏は、脱ドルの流れは依然として中心的なテーマであるとしたうえで「紛争が長期化すれば昨年までの買い一辺倒ではなく、戦術的な売り買い双方向の資金の動きが見込まれる」とみる。

(神山美輝)」


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