ドル1強再び、ユーロ・円は安値。1ドル160円を試す展開か

減税・規制緩和を掲げるトランプ氏の大統領選勝利が、米経済に追い風との見方から投資マネーが米国に集中、ドル高・ユーロ安・円安が進んでおり、今後は、1ドル160円を試す展開が予想される。
記事
2024年11月15日付日経記事「マネー偏在、ドル1強再び 「減税が米に好影響」期待/中国・欧州、関税で不利に」によれば、
「外国為替市場で「米ドル1強」が再び強まってきた。
欧州や中国が景気低迷に直面する一方、米国の成長期待が強いためだ。米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことで、米経済に追い風との見方から投資マネーが米国に集中。さらにドル高が進んでいる。
14日の東京外国為替市場で、対ドルの円相場は一時1ドル=156円台に下落し、約4カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけた。売りが広がるのは円にとどまらない。ユーロも一時1ユーロ=1.05ドル台前半まで下落し、約1年ぶりの安値をつけた。
円やユーロが安値をつけるのと対照的に、米ドルは全面高だ。主要通貨に対するドルの強さを示す「ドル指数」は14日、106台後半をつけ、1年ぶりの高水準にある。
過去2年はドル高・円安傾向が鮮明だった。
米連邦準備理事会(FRB)が2022年、インフレを抑制する狙いから利上げを始めたからだ。日本は低金利政策を維持していたことから日米金利差が拡大。円相場は24年7月に一時1ドル=161円90銭台まで下落した。
FRBは24年9月に米経済の軟着陸を狙い、0.5%の利下げに踏み切った。11月にも0.25%の追加利下げを決め、景気を熱しも冷ましもしない中立金利へ向けて利下げを継続する考えを示す。
ドル高傾向は弱まるとの観測が一時強まったが、再びドル買いが再燃している。
きっかけとなったのが、5日に投開票を迎えた米大統領選だ。
大統領選で共和党のトランプ氏が勝利し、連邦議会選でも上下両院で共和党が過半数を押さえた。
JPモルガン証券の藤田亜矢子チーフエコノミストはトランプ氏の政策について「減税と規制緩和が米国経済にとってプラスに働く一方、関税強化は中国の成長にとってマイナス。中国の最終需要への依存度が大きい欧州もマイナスの影響を受ける」と解説する。
みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストも「米ドル高が進めば、海外への資金逃避懸念から金融緩和の余地が少なくなるのも中国経済にとって打撃となる」と話す。
国際通貨基金(IMF)によれば、25年の実質国内総生産(GDP)成長率はユーロ圏が1.2%となる見通し。中国は24年の成長率が4.8%と前回見通しから下方修正された。
この数字にトランプ政策の経済影響が加われば、中国や欧州は経済の下振れリスクが高まり、米経済の相対的な強さが意識されやすい。
米景気の強さを見越して投資マネーも米国に集中する。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)が12日に公表した11月の機関投資家調査によると、大統領選後の回答では米国株保有に「強気」と回答した投資家の比率から「弱気」の比率を引いた値はプラス29%と、13年8月以来、約11年ぶりの高水準となった。
スタンダードチャータード銀行の江沢福紘フィナンシャルマーケッツ本部長は「リスクオン姿勢の強まりから円売り・ドル買いとなり、1ドル=160円を試す展開も想定される」と語る。」
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