コメ「秋も高値」現実味、JA買い取り3~4割高

備蓄米の放出が続くもののコメの品薄感は解消せず、今秋に収穫予定の2025年産米に対し、各地のJAはコメ農家から買い取る金額を24年産比で3~4割引き上げる。
JAは、全体の生産量の4割をJAが取り扱っており、新米の店頭価格を押し上げる要因となる。
記事
2025年4月29日付日経記事「25年産米、はや集荷競争 JA買い取り3~4割高 「秋も高値」現実味」によれば、
「今秋に収穫予定の2025年産米を巡り、主要産地で数量確保に向けた動きが強まっている。各地のJAはコメ農家から買い取る金額を24年産比で3~4割引き上げる。
政府備蓄米の放出が続くものの品薄感は解消せず、民間の集荷業者との競争は激しい。新米の店頭価格を押し上げる要因となる。

JAグループは生産者からコメを買い集め、卸や小売りなどに販売する。例年、全体の生産量の4割をJAが取り扱う。生産者からの買い取り価格は「概算金」と呼ばれ、その年のコメの流通価格の指標になる。
コメの生産量が全国3位の秋田県はJA全農あきた(秋田市)がこのほど、25年産のあきたこまちの概算金の目安を60キログラムあたり2万2000~2万4000円とする方針をJA関係者に示した。24年産の概算金(昨夏時点)は1万6800円。中心値(2万3000円)でみると、引き上げ幅は6200円(37%)となる。上昇率はおおむね前年産並みだ。
JA福井県(福井市)も25年産のコシヒカリで同2万2000円とした。24年産当初から4800円(28%)引き上げる。JA福井県はこの水準を「下限であり最低保証金額」とし、夏に改めて価格を提示する。
概算金は例年、収穫期が近づく8~9月に水準が決まる。今年は田植えが本格化する前の4月末までに大幅な引き上げが広がる異例の事態となっている。
背景にあるのが長引くコメの需給逼迫だ。
農林水産省がまとめた民間在庫は2月末時点で205万トンと、前年同月比で39万トン(16%)少ない。JAグループなどの集荷業者と卸売業者との相対取引価格は3月、玄米60キログラムあたり2万5876円(全銘柄平均、税・諸経費を含む)だった。前年同月をなお68%上回る。
備蓄米が3月下旬以降店頭に並び始めたものの、品薄感は強い。
民間の集荷業者やコメ卸などとの買い付け競争は激しさを増す。JA全農あきたの担当者は「年明けから民間の業者が25年産米の商談のために農家のもとへ来ている」と打ち明ける。
こうした動きにJAグループは25年産米を想定通りに確保できるか、危機感を強めている。24年の全国農業協同組合連合会(JA全農)の集荷量は179万トンと、23年から29万トン(14%)減った。生産量全体に占めるシェアも5ポイント低下し、26%にとどまった。
24年は収穫期の前後に農家を直接訪問し、現金で買い付ける民間業者へコメが流れたとの指摘が多い。
集荷を増やすには、早い時期に概算金を引き上げる姿勢を生産者に示す必要があるとJAグループは判断した。
秋田県内のあるJAの組合長は「近年は大雨や猛暑が続き、農家を取り巻く環境は厳しい。農家の稲作を続ける意欲をかきたて、安定した価格と量でコメを消費者に届けたい」と話す。
既に生産量首位の新潟県では3月、JA全農にいがた(新潟市)が25年産のコシヒカリの概算金の下限を60キログラムあたり2万3000円にすると決めた。24年産(昨夏時点)に比べ6000円(35%)高い。
各地のJAが概算金の引き上げ決定を前倒ししたことで、民間の集荷業者がコメ農家に提示する買い取り価格も上がりそうだ。
新潟県内のコメ農家には、JA全農にいがたより高い2万円台後半の買い取り希望がコメ卸などから届いている。「JA系が動いたことで民間業者の動きが活発になった」(新潟県のコメ農家)
関東のあるJA関係者は「他県の動向は注視しているが、いまの段階で引き上げを提示するのはリスクもある」とこぼす。
小売り段階のコメの高値は収まらない。農水省が28日発表したコメの平均店頭価格(4月14~20日時点、5キログラム)は、前週比3円(0.1%)高い4220円。16週連続で値上がりした。一般の銘柄米に比べて安価な政府備蓄米が店頭に並びだしているものの、品薄感は解消せず、前年同期の2倍を超える。
概算金の上昇は、コメ卸やスーパーの25年産米の仕入れ価格を押し上げる要因になる。新米が出回る時期になっても店頭価格が高止まりする可能性がある。」
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