米政府、狙いはベネズエラの「超重質油」。石油大手に15兆円投資要請

トランプ米大統領は2026年1月9日、米国の石油メジャー幹部らとホワイトハウスで会談した。米政府には国内の古い製油所を活用する思惑がある。
米国で新たに採れ始めた原油は「軽質原油」だ。このため米国ではベネズエラ産の原油の処理を想定したレガシー(遺産)設備で軽質原油を処理する状態が続いていた。
トランプ米政権はベネズエラの利権獲得によって米国内の製油所を効率よく回し、シェールから採取した原油を輸出に回して生産性を高める青写真を描く。
エクソンモービルのダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は、現時点で「投資は不可能だ」と語った。過去にベネズエラで2度にわたって資産が没収されたとして「商業的な取り決めや法的枠組みを整えて初めて判断ができる」と話した。
記事
2026年1月11日付日経記事「米、狙いはベネズエラの「超重質油」 シェール革命前の施設効率稼働 政権、石油大手に15兆円投資要請」【ヒューストン=大平祐嗣、ワシントン=坂口幸裕】によれば、
「トランプ米大統領は9日、米国の石油メジャー幹部らとホワイトハウスで会談した。ベネズエラの石油事業への巨額投資を求めたが、慎重な反応が目立った。
米政府には国内の古い製油所を活用する思惑がある。

トランプ氏はベネズエラの石油インフラ再建について「大手の石油企業が少なくとも1000億ドル(約15兆7000億円)を自社資金で支出するだろう」と述べた。「資金を確実に回収できる政府の保護と保証が必要だ」とした。
エクソンモービルのダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は、現時点で「投資は不可能だ」と語った。過去にベネズエラで2度にわたって資産が没収されたとして「商業的な取り決めや法的枠組みを整えて初めて判断ができる」と話した。
ベネズエラは長く続いた経済低迷や投資不足で産油量が減っている。
S&Pグローバル・エナジーによると、ベネズエラの生産量は08年1月の日量約300万バレルから、25年12月には約96万バレルに落ち込んだ。インフラ再建は簡単ではない。ウッズ氏は「必要があれば即座に活動できるよう態勢を整えている」と説明した。
米政府がベネズエラ産原油を狙うのは中国やキューバなどの動きを抑え込むだけでなく、米国にある古い製油所を活用する思惑があるためだ。
原油は硫黄の含有量などによって種類が大きく2つに分かれる。ベネズエラで産出する原油は硫黄分が多く、粘り気のある「重質原油」だ。ベネズエラ産はなかでも「超重質」といわれ、地表に出ると固まるほど。扱いづらさから一般的な原油より価格が低い。
米国石油企業は安価で入手しやすいベネズエラ産に目をつけた。東部オリノコの油田地帯で資源権益を取得し、2000年前後に生産を始めた。メキシコ湾岸の製油所に重質原油を輸入して活用してきた。
米燃料石油化学製造者協会によると、米国の製油能力の約70%は重質原油で最も効率的に稼働する。
だがその後、00年代後半に米国でシェール革命が起きた。頁岩(けつがん)の隙間からガスや油を採取する新技術により、米国はエネルギー輸入国から輸出国に転じた。18年からは世界一の産油国となっている。
米国で新たに採れ始めた原油は「軽質原油」だ。このため米国ではベネズエラ産の原油の処理を想定したレガシー(遺産)設備で軽質原油を処理する状態が続いていた。
トランプ米政権はベネズエラの利権獲得によって米国内の製油所を効率よく回し、シェールから採取した原油を輸出に回して生産性を高める青写真を描く。」
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