「年収の壁」対策の厚労省案が生む、新たな「不公平」

社会保険料負担有無に関する「年収の壁」については、現状でも、「専業主婦」・「社会保険料を負担せず、扶養の範囲内で働くパート主婦」・「社会保険料を支払って働く女性」の間に不公平があります。
「年収の壁」対策として、労働者側の社会保険料負担を会社が肩代わりする厚労省案は、会社に負担してもらえるパート主婦とそうでない人の間に、新たな不公平が生まれることを意味します。
厚労省案は、社会保険料を負担する側の企業にとっても、特に小規模事業者にとっては非常に大きな負担になるものであり、日本商工会議所も反対しています。
記事
2024年11月19日付日経記事「日商会頭、年収の壁対策の厚労省案「不公平」 負担増懸念」によれば、
「日本商工会議所の小林健会頭は18日の記者会見で、「年収の壁」対策として労働者側の社会保険料負担を会社が肩代わりする厚生労働省の案に懸念を示した。「不公平で、企業により多い負担を求める理由がない」と言及した。
年収の壁をなくして社会保険料が発生すれば「特に小規模事業者にとっては非常に大きな負担になる」と述べ、企業側への負担軽減策を講じるよう促した。
厚労省は15日、社会保険料が発生する「106万円の壁」を撤廃し、厚生年金の保険料の負担割合を労使折半ではなく柔軟に変更できる特例を設ける案を示した。手取り収入の減少を避け、パート労働者の働き控えを防ぐ狙いがある。
厚労省案では「106万円の壁」がなくなっても週20時間以上という労働時間の要件は残る。小林氏は「今度は『20時間の壁』になる」と語り、就労抑制の課題が残るとも指摘した。
日商は18日、最低賃金の引き上げに関する小林氏の談話も発表した。「今後さらに大幅な引き上げが続けば中小企業の経営や雇用、地域経済への影響が強く懸念される」と提起した。中小企業の支払い能力を踏まえた検討を政府に要求した。」
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